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2008年12月19日 (金)

【小説】~雪降る聖夜の街へ~

え?僕と彼女がどうやって出逢ったのかが知りたいだって?

別に構わないけど、あんまりかっこいい出逢い方じゃないよ?

・・・仕方ないな、わかったよ。おもしろく話せるかはわからないけどね。

あれは、えっと・・・2年前の12月24日。クリスマス・イヴだね。

  

 

 

+*+:;;;:+*雪降る聖夜の街へ*+:;;;:+*+

  

コートを着込み歩く人々、街中から聴こえる軽快な音楽、空を舞うのは白い雪。

そして目に映る至る所には寄り添う恋人たち・・・。

世間の人々はクリスマスと呼ぶらしいが僕には関係がなかった。

僕はこの日を静夜と呼んでいる。

とある年のクリスマス。僕はいつも一緒だった親友にいつものように電話をかけた。

「ごめん、今夜はデートがあるんだ。お前も早く恋人つくれよ。」

その言葉を聞いて以来僕は、クリスマスの夜は誰とも連絡を取らず、部屋で静かに過ごすようになったからだ。

でも何故かケーキは決まって食べていた。理由は自分でもわからない。

きっと僕の人生の中に、クリスマスという日はもう来ないと思っていた。

うーん、でも今年は静夜じゃなくて盛夜になりそうかな。

 

「・・・ぷっ。」

自分の考えたくだらない言葉につい笑ってしまった。 

 

「なにニヤニヤしてるんだよ?かわいい娘でも見つけたのか?」

「いや、今夜は静夜じゃなくて盛夜になりそうだなーなんてね。ぷふっ。」

「ん?せいやがなんだって?」

「あ、いや、えっとほら、ディーンみたいな愉快なやつらとパーティだなんて嬉しくってさ!」

「お、おう。」 

僕の横を歩く大柄の男は、少し照れくさそうな顔をして鼻の下をこすった。

彼の名前はディーン。

僕が大学に入学して、最初に知り合った一番の親友で、お互い職についてからも、たびたび会っては酒を飲んでいるくらいの仲だ。

  

「そうだ、かわいい娘で思い出したんだけどよ、すぐそこに新しい店が建ってな、そこにかわいい店員さんがいるらしいぜ。お前フリーなんだろ?今度アタックしてみろよ。」

「おいおい、やめてくれよ。僕はそういうの苦手だって言ってるだろ?そういうディーンこそ今日は告白頑張れよっ。」

「お、おい!何の話だよ!それよりほら、そこに看板が見えるだろ?」

ディーンはこういう冗談を平気で言うのが少し困ったところだが、いつものことなので僕もすっかり扱いには慣れていた。

「この間まで、あんな店じゃなくてすげぇ美味いカレー屋だったんだぜ。いつかあいつを誘って行こうと思ってたんだが・・・・」

ディーンが隣で何かぼやいているようだったが、これもいつものことだ。

ディーンが指をさした先に目をやると、清潔感漂う白い建物が建っている。

僕は目を凝らして看板を見た。

僕だって女性に興味くらいはある。 

”手作りお菓子工房 Freude”

丸みを帯びた文字はそう綴られていた。

 

なるべく不自然にならないように、店の中を覗き込んだ。

どうやらカップルの客が多いようだが、すぐに僕はレジの前にぼんやり立っている店員を見つけた。

僕はサングラスをはずし、更に目を凝らして彼女を見た。

  

「しかもよ、あそこの福神漬けって特別な壷で作ってるらしくてさ、これがまた美味くってなぁ・・・。」 

優しい印象を受けるその整った顔は、どこか遠くを見つめるような目をしている。

後ろで結い上げられたブロンドの髪が美しい。下ろした姿も見てみたいと素直に思った。

幸せそうにも少し寂しい感じにも見える、彼女の女神のような表情に、僕は思わず見とれていた。

突然彼女が僕の方を見たときは心臓が止まりそうになった。そう、彼女に気付かれてしまったのだ。

焦って誤魔化そうとする僕に、彼女が美しい笑顔を向けてくれたことにはもっと驚いた。 

「激辛ってのはよくあるメニューだけどよ、あの店には激甘カレーっていうのもあったんだぜ?うまいのかなぁ?」

「…あぁ。それは辛そうだね。」

 

「・・・・・・。」

 

「おっと、こんなところで油を売ってる場合じゃねぇ。フライヤーが出ちまう!」

 

 

 

  

 

パルムの中心にほど近い住宅街の平凡なマンションの一室。

一番広いからという理由だけで、私の部屋がパーティー会場に選ばれちゃいました。

こんな普通の部屋でよかったのかしら?少し不安だったんですけど、飾り付けをしたらちゃんとしたパーティー会場になりそうで良かったです。

それよりもっと心配なことがあります・・・。 

「ねぇねぇ、二人とも遅いよね・・・。どうかしたのかな?」

「ほんっと。私たちだけに飾りつけさせる気かしらね。アル~。そこの電飾取って。」

「おっけい。これかな?あ、でもフライヤーの時間が遅れてるとか?最近墜落事故とか多いし。」

「フライヤーが・・・墜落!?」

そんな!そんなはずないよね!心の中では必死にそう叫んでいるのに、いつのまにか私はテレビに向かっていました。 

「もう!ユキの心配を大きくしてどうするのよ!」

「にゅん・・・。」

  

『続いてのニュースです。ダグオラ第三高校のトマコさん(16)を殺害したとされる、容疑者の似顔絵が公開されました。主な特徴は、褐色の肌に銀髪の女性。種族はニューマンのようです。そして、今日はこの事件を調査している、ガーディアンズのテンコさんにお越しいただいて・・・。』

プツン。

「ふぅ。」

テレビを消すと同時に安堵の息がこぼれちゃいました。どうやらフライヤーの墜落事故は起こってないようです。こんなどうでもいいような事件のニュースをしているのがその証拠です。

 

「大体、アルはいつも一言多いのよ!自覚してるの!?」

「ほふ・・・。」

「その変な返事やめなさいっていつもいってるでしょ!」

またアナがアルに何かお説教をしています。相変わらずの光景なのですが、これでは二人が恋人同士だなんて誰も思わないでしょうね。

でもでも、こういう関係だからこそ恋人なのかもしれないですね。

むむ、私も参考にしようかしら。

「ほらほら、痴話喧嘩していないで飾りつけ終わらせちゃいましょ!」 

  

私の言葉で飾りつけにそれぞれ戻ったのですが、やっぱり彼のことが心配で手につきません。

でも、彼は私の心配しすぎる性格を良く思っていないのかもしれない。

彼がガーディアンズを辞めてしまったのも、私の心配性のせいらしいのです。

彼がそんなようなことを言っていたのを聞いてしまったときは、数日寝込んでしまうほどショックでした。

でもでも!彼は元々武器開発のお仕事がしたいって言ってたし、いまの彼は以前に劣らないくらい輝いてるよね。

アルも働いているヨウメイ社に彼は入社したのですが、クロスボウとレーザーカノンの生産を提案したのはなんと彼なのだそうです。

やっぱり何をやらせても一流なのよ彼ってば!

ちなみにそれらの武器のデザインはアルが手がけたそうです。

アルらしいデザインだねと、みんなで笑った日が懐かしいなぁ。

ああ、でも彼の到着が遅い・・・。探しに行こうかな・・・。

  

「アナ~。ユキが寂しそうにしたり笑ったりしてるよ~。」

「いつもの考え事モードに入ってるんでしょ。そっとしといてあげなよ。」

 

ピンポーン。ドンドンドン!

「すまねぇ!遅れた!開けてくれ!」

 

「よかった!無事だったのね、ディーン!」

 

 

 

 

 

ユキ、アル、アナ、ディーン、そして僕の5人でのクリスマスパーティーが始まった。

大学時代からの友人たちが集った。といっても普段からよく顔を合わせているので、特別感動などは起きないんだけど。

それでも仲の良い5人が集ったんだ。当然パーティーは盛り上がった。

アルとアナが買ってきてくれたケーキを食べたのだが、これがまた立派なものだった。

いつも一人で食べるショートケーキとは比べ物にならない。

どこで買ったのとユキが尋ねると、ここの近所の洋菓子屋さんよと丁寧にケーキを切り分けながらアナは答えた。

もしやと思ったが、ここで話題に出すとディーンに何を言われるかわからないので口には出さなかった。

   

 

それから、どうでもいいような話をこれでもかというほど話し、夕食も済ませた頃。

 

「あひゃーん。ディーンくぅーん、愛してるぞぉ~。」

「うわっ。アル、酒臭いぞ!」

「まったく羽目はずしすぎよ、このおばか。それにそういう言葉は私に向けていうものでしょ?」

「うふふっ、もちろんアナちゃんが一番好きだよぉ~ん。」

「こっ、こら!離れなさいって!」

アルが酒に酔うといつも対処に困って仕方がない。暴れたり泣き出したりするより万倍マシだけど。

「ごめん、あんまり迷惑かけちゃうとあとでアルが落ち込んじゃうし、今日はもう連れて帰るわね。」

その面倒をみているアナをみる度、アルは幸せ者だなとつくづく思う。

 

「・・・・・・。」 

2人が車で帰っていくのを見送ったあと、部屋の空気はすっかり落ち着いたものになってしまった。 

「そういえばどうして遅刻したの?」

「ああ、それがさ、カルマがかわいい娘に見とれちゃってなぁ!」

「お、おい!」

楽しそうにディーンが話し始めたが、僕にとっては一番触れてほしくなかった話題だ。

「へぇ、カルマがねえ・・・。あ、でもディーンが無事でよかったよ。すごく心配したんだから。」

「僕はどうでもいいのかよ・・・。ちょっとトイレ借りるね。」

僕は聞きたくない話題から逃れるようにトイレに入った。

   

 

「ははは。それにしてもユキは相変わらず心配性だなぁ。」

ドキッ。 

彼から”心配性”という言葉が出るたび、私は平常ではいられなってしまうのです。

「・・・ディーンは私のこういう性格、嫌い?」

「いや?そんなこと考えたこと一度もないけど?どうしたんだ?」

「だって・・・私の心配性がうっとうしくてガーディアンズやめたんじゃないの?」

何を言ってるんだろう私・・・。ディーンに嫌われちゃうよ・・・。

「おいおい、誰にそんな訳の分からない話聞いたんだ?」

「・・・ディーンがカルマに話してるの聞いちゃったもん・・・。グズッ。」

いつの間にか、頬を熱い雫が流れていました。

「おい、泣くなよ!それにそれは誤解だって。」

「・・・誤解って?」

「これ以上・・・大切な人に心配かけたくなかったからだよ・・・。」

「え?それって・・・。」

 

「ずっとずっと好きだったよ・・・ユキ。」

私は夢中で彼の胸に顔をこすりつけ泣きました。

 

私もずっと好きだったよ。

 

 

 

 

 

「うんうん。よかったよかった。」

2人のただならぬ雰囲気を察して、僕は書置きだけ残して部屋を出た。

彼らのことはこっそり応援していたので、2人が結ばれたことをとても嬉しく思う。

クリスマスに結ばれる愛か。うらやましいぞ親友よ。

ん?待てよ?

クリスマスに親友が・・・?

過去の苦い思い出が頭の中によみがえり、急に暗い気持ちになってきた。

「はぁ・・・。まだ夜の9時過ぎなのに・・・。盛夜去ってまた静夜か。」

今度はちっとも笑えなかった。

 

ドン!

 

「キャッ!」

信号待ちしている通行人の背中にぶつかってしまった。

うつむいて歩いていたこちらが明らかに悪い。僕は頭を下げて何度も謝った。

「あっ、よかった!」

「へっ?」

相手の思いもよらない言葉に思わず変な声が出てしまった。

 

「あの、昼間にお会いしましたよね?」

僕が顔をあげると、そこにはあの美しい女性の顔があった。

ブロンドの髪を下ろしていたので気が付かなかった。

「仕事の都合で少し寄り道していたら、その、帰り道がわからなくなっちゃって・・・。ついこの間こっちに越してきたばっかりで、道を聞けるような知り合いもいなくて・・・。あの・・・。」

 

「安心してください。僕が案内してあげますから。」

彼女は安堵のあまり少し涙ぐんだが、すぐに美しい笑顔を見せた。

「ありがとうございます!えっと、私、イザベルといいます。お名前お伺いしてもよろしいですか?」

「そんなにかしこまらなくていいですよ。僕の名前はカルマ。よろしくねイザベルさん。」

はぐれないように彼女の手を握り、僕たちは歩み始めた。

 

雪降る聖夜の街へと。

 

 

 

 

 

 

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

あとがき

 

皆さんごきげんよう!

今回はPSUで知り合ったお友達を登場人物として、小説を書かせていただきました。

それぞれのイメージを表現してみましたつもりですが、ほとんどオリジナルな部分ばっかりになっちゃったかなも(><w

カルマ、イザベルさん、アナ、DEEN、ゆきちゃん、アル、協力してくれてありがとう!(/□≦、)

小説の執筆も趣味のひとつなので、また機会があれば挑戦したいと思っています♪

あんまり自信はないので期待せずに乞うご期待です!w

「次回は自分を登場させてくれー!」などというご要望も遠慮せずにどうぞです!

 

こんなつたない文字の羅列を最後まで読んでくれた皆様に一言!

サランヘヨ~((w´ω`w))

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